グラスアート藍のめざすもの

それは、伝統を大切に守りつつ、今までにない魅力を放つ、琉球ガラスの新たなる可能性。
たとえば、都会のセレクトショップで。たとえば、高級リゾートのギャラリーで。
「これ素敵だな」「贈り物にいいな」と手に取ってみたら、グラスアート藍の琉球ガラスだったというような。
そんな出逢いができる作品を創造してゆきたいと思います。

沖縄の文化や自然に根ざした、沖縄伝統工芸のひとつ、琉球ガラス。 その製法を大切に継承しながらも、琉球ガラスの新たなスタイルを模索し、より新鮮なデザイン、より斬新な素材感、より美しいフォルムを生み出し、すぐれた芸術性と機能性を併せ持つ作品づくりをめざしています。

米国統治下の米軍関係者からのニーズ、沖縄海洋博時代の観光客からの需要、近年の沖縄ブームと雑貨人気などを歴史的背景に生産されてきた琉球ガラス。その土産物としての位置付けを脱し、毎日の食卓や住まいを演出する高品質な工芸品としての存在感をめざしています。

灼熱の窯と向き合う危険を伴うことから、3Kとも 呼ばれるガラス職人という過酷な職業。そんなイメ ージを払拭すべく、進んで地元出身の若者たちを採用し、伝統工芸に携わる者としての誇りと技術、も のづくりの感動を伝え、次世代を担う人材を育成するとともに、地域貢献をめざしています。

グラスアート藍は、1998年の創業以来、寿紗代が率いる工房として、常に新たな風を発信してまいりました。ガラスを通して沖縄の精神と文化を伝えたい・・・そんな 願いを込めて、一枚一枚、丁寧に手作りし、世界に二つとない製品を制作。社名に含まれた「ai」という言葉にも、 数々の熱い想いが込められています。

グラスアート藍の作品のモチーフの多くは、沖縄の海、空、草花などの風物や、そこに宿る自然の色合い。
沖縄の自然を代表する海の色「藍」の文字を社名に冠した理由がここにあります。

やんばるの森に抱かれた名護市内の工房を活動拠点に、この地での「ものづくり」にこだわり、
できる限り県内に作品の原材料を求め、ガラスを通じて沖縄の精神と文化を表現しています。

他にはどこにもない、ここでしか出逢えないもの。大量生産するのではなく、
けっして妥協せず一点ずつ制作者自身の手で作ったもの。そんな自分らしい姿勢を守り続けています。

個性と魅力を見極めるアーティストとしての眼、使いやすさを見つめる生活者としてのまなざし、
細心の注意を払って品質を見届ける職人としての視点を大切にしています。

五十音の最初の二文字である「アイ」には、沖縄伝統工芸である琉球ガラスに
常に新風を吹き込む先駆者でありたいと願う、フロンティア・スピリットが込められています。